岡山で自然農を営んでいます。日々の農作業の様子や、出荷している野菜の紹介をしています。


by nori-lanka

プロフィールを見る
画像一覧

ノリランカ食農だより

カテゴリ

お知らせ
日記
イベント
フランス
スリランカ

最新の記事

雨続きの10月
at 2017-10-22 19:33
穏やかな日々
at 2017-10-10 00:01
一息
at 2017-10-02 22:07
ヤマビコの稲刈り
at 2017-10-01 21:15
朝の散歩
at 2017-09-24 22:54

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月

−−−

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

カテゴリ:スリランカ( 4 )

スリランカの在来作物の形(スリランカの旅③)

今回の旅で、スリランカの在来作物や伝統野菜なども、興味深く見てきました。

スリランカの主食、お米についてもかつてはたくさんの稲の在来種が存在していましたが、今はその種類もわずかしか残っていないようです。収量が多く、作りやすい稲を現代の農家は求めているからです。
d0231263_074844.jpg

昔は、僧侶のための栄養価の高い品種のMawee、授乳中の母親むけのHeenati、水田で働く人々のためのKanni Murungaなど、用途に応じた様々な品種がありました。また、水不足の時に向く品種などもあり、その年の天候にあわせながらの栽培をしていたようです。
そして、稲の収穫時期には、鳥が熟した稲を食べにきますが、kukulu paluwaと呼ばれる鳥用のお米も作って、お互いに食べ分けをしていたそうです。そのお米については、誰も知りませんでした。もう残っていないのかもしれません。

d0231263_081927.jpg

町にある園芸店に行ってみました。
「F1でない種はあるか?」ときいたところいくつか出してくれましたが、豆類が主で、果菜類はF1が主流となっています。ましてや「在来種は?」となると、園芸店で販売はしていません。
d0231263_0834100.jpg

それ以外には、農薬、そしてそれぞれの作物に適する肥料がたくさん並んでいました。

d0231263_085180.jpg

キャトルムルンガという植物は、マメ科で地力を上げるのによいとされ、オーガニックファームでは、畝幅5mごとに1列のキャトルムルンガを植えているところもありました。
d0231263_0144962.jpg

この花は食用に使われ、葉は栄養が豊富だそうです。

私が市場でショウガを見ていると、友人のお父さんに「それはチャイニーズジンジャー」と言われました。「スリランカのショウガは?」ときくと、スリランカのショウガの香りの素晴らしさを話してくれましたが、サイズがとても小さく生産量が少ないのでほとんど見ることがなくなってしまった、と言われました。友人の住む地域は、ショウガの産地ですが、その地域でさえも、ほとんどの人がチャイニーズジンジャーを育てているそうです。
d0231263_091616.jpg

私が残念がっていると、お父さんはバイクでどこかにでかけ、新聞の包みを持って帰ってきました。
「友人の家の庭にスリランカのショウガがあったよ」と実物を見せてくれたのです。

d0231263_093878.jpg

また、別の友人のお父さんを訪ねると、パイナップル畑で苗作りをされていました。畑のそばには、ルッファという伝統野菜が半野生化していました。種取りしながら、ずっと育てているそうです。
d0231263_0132466.jpg

お米も、昔の品種を栽培していて、もう少しすると収穫期を迎える状態でした。

d0231263_0101090.jpg

大学の研究機関には、モデルケースとして在来野菜を育てている場所もあり、そこにも色々面白い野菜がありましたが、その中でもArangaはとても美しく興味深い野菜でした。

d0231263_0103049.jpg

3日間泊めて頂いた友人の実家の庭には、色々な植物が育っていました。
ナスのような花が咲き、小さな実がつくwel thib-batuは、スリランカの在来植物。実は食べませんが、葉は咳止めになり、カレーにも使います。

d0231263_0162352.jpg

コチという在来の唐辛子。白と赤があり、とても小さいですが、とっても辛いそうです。スリランカの人でも、みんな食べられるわけではないという辛さ。でも、鳥が食べるそうです。なぜでしょうか・・・

d0231263_010568.jpg

カレーに欠かせないカラピンチャ(カレーリーフ)とランペ。
d0231263_0111276.jpg

カレーリーフは庭のあちらこちらに自生しています。

やはり、在来種は大きな農園ではなく、個人的に野菜を栽培している人のところに多く存在するのかと気づき、それはやはり日本と同じであると感じました。大量生産するためではなく、味や香りがよいとか、咳が出た時にその葉を使うなど、人々の家庭の中に根付いた形での存在。そして、それが本来の形。
みんながそれぞれに、普段に利用するもの、美味しいと思えるものを作ること、人はいつから自分が生きるために食べるものを他人に委ねてしまうようになったのだろう・・・

スリランカでは、きっとこの状態がこれからもっと加速していくだろうと思います。気がつけば、多くの在来種を失うことになるかもしれません。それは日本も同じです。
でも、本当によいものは、それぞれの家庭の庭や畑でひっそりと受け継がれていく、それが在来種の本来の姿であるのかもしれません。
by nori-lanka | 2015-03-19 21:53 | スリランカ | Comments(0)

スリランカのオーガニックとは(スリランカの旅②)

 今回の旅で、いくつかの農園を巡りましたが、友人に「オーガニックファーム」に行ってみたいとお願いしていたので、いくつかのオーガニックファームに行くことができました。
d0231263_23284094.jpg


一つは、マータレーにある、「Ecological Farm&Agricultural Training Center」。
ここのプロジェクトマネージャーからお話を伺うことができました。
現在4年目、面積は12エーカーで、お米、野菜、スパイスなど伝統品種を中心にし、化学肥料や農薬を使用せずに栽培しています。(ここでいう伝統品種とは、地域の村で育てられ続けている種を分けてもらっているそうです。)
d0231263_232988.jpg

この農園では、太陰暦にあわせて栽培し、1年間を2つの栽培期間にわけ、表を作っています。

d0231263_23293229.jpg

この色分けされているのは、それぞれ適する時期を示しているそうです。

d0231263_2330118.jpg

また、土の中の微生物を活性化させるため、堆肥として牛糞を使用しています。この牛糞は農園内で飼育している牛のもののみを使用し、その牛には農園内の草やココナッツをメインで与えているとのことでした。

d0231263_23302437.jpg

そして、「Kandyan forestgarden system」=自給自足的農業(キャンディ地域の伝統農法)で、森・スパイス・米・野菜・・・必要なものは全てそこでまかなうというやり方です。
そのため、大規模に単一作物を栽培するということはせず、通常1種類を栽培する面積で5種類の野菜を栽培するそうです。

d0231263_23305050.jpg

ここで作られた作物は、農園の入り口のお店で販売しています。

d0231263_23311084.jpg

伝統品種の色々なお米や野菜を購入することができますが、価格は慣行栽培にものとほとんど変わらないとのことです。それがこれからの課題である、と言われていました。

d0231263_23331870.jpg

それはなぜか?オーガニック=高いが需要がない、というのが今のスリランカの状態だそうです。
これは、国の研究機関などでも同じようなことを言われました。オーガニックに関心のある農家もいるし、国としてもその方向に進めたいが、国民は安いものを求めるので、オーガニック農家は経営が難しい、と・・・すぐに高収入に結びつくかどうか、が判断基準になっています。

d0231263_23322633.jpg

一方、コロンボ(商業主都)に行くと、少し印象は変わります。スーパーでもオーガニック野菜のコーナーができ、スパイスなどもオーガニックコーナーがあり、倍位の価格で販売されていました。
昔はあまり多くなかった生食用葉物が市場にも増え、健康を考える人が増えているように感じ、全体として生活水準も上がっています。友人たちや色々な試験場の方々と話していると、ただ、「オーガニック=体によい」とただ捉えられ、それを一つのステータスにしているようにも感じます。

そして、友人達からこんな話もききました。
昨年、お米の主要産地であるアヌラーダプラ、ポロンナルワ地域で大洪水が起き、お米の収量が激減しました。そのため、以前は60-80ルピー/1kgだったお米が、今年は80-160ルピー/1kgと倍位の価格になったそうです。そして、インドからの輸入米は40-60ルピー/1kgです。
さて、どちらを選択するか?
多くの友人は「インドからのお米は美味しくない。高いけど、スリランカ米を買う」と。

オーガニックで倍の価格になった野菜を買う人はいなくても、お米が倍の価格になっても、美味しい方がよいと買う人はいる・・・
ということは、オーガニックが高いから買う人がいないのではないのかもしれない、とも思います。

過渡期である現在のスリランカでは、オーガニックの根本を考えている農家は本当に少数であると感じます。オーガニックの農場でも、オーナーが畑に立つことはなく、オーナーがオーガニックの方針を労働者に指示し、労働者はただ指示された栽培法に従うだけという栽培がほとんどで、ウッパワンサ氏のように自ら畑で実践し、自ら考え、指導している人はほとんどいないのが現実です。
「オーガニック=無農薬栽培、収入が増える方法」と思うだけでなく、多くの作り手が将来に向けての持続可能な方法として捉えてほしいと強く思いました。
そして、そこから生み出されるものの本当の意味を考えられるような作り手と買い手が増えていってほしいと、変わり続けるスリランカの農業の一端を見て感じました。
by nori-lanka | 2015-03-11 20:27 | スリランカ | Comments(0)

「文明は農業で動く」を訪ねる (スリランカの旅①)

スリランカでいくつかの農園を訪れた中で感じたことを何回かに分けて書いていきたいと思います。
スリランカの伝統農法と私達の自然農には、共通する点を多く感じますが、今回の旅でスリランカの伝統農法は仏教に根ざしたものであることを強く感じました。

スリランカに行く前に読んだ本『文明は農業で動く』。
この本の中には、スリランカの伝統農業についても取り上げられていました。
そこで紹介されていた農園にとても興味を持ちました。そこは、キャンディ近郊のナワラピティヤでエコロジー保全協会を創設し、1980年代前半から有機農業と伝統農業に取り組まれている農園とのことでした。

この農園主であるウッパワンサ氏は、伝統農法に着目して「ナワ・ケクラマ」という方法を開発し、高収量を上げることに成功、そしてその方法を普及していることが書かれていました。その農法の特色は、伝統的な太陰暦に従った栽培・不耕起マルチ栽培(マルチには藁や草を使う)・雑草を残す栽培(雑草を抜かない)ということでした。その方法は、自然農と多く共通する点を持っていると感じ、是非この農園を訪れたいと思いました。名前と地名しかわからない中、現地で友人一家に助けて頂いて、農園探しに出発しました。

道中、色々な方に道を尋ねながら、ようやくそこらしき場所に着いた時、友人のお父さんが言いました。「この農園はもう閉園してしまっている・・・。」
d0231263_2328455.jpg


せっかくたどり着いたのに!
せめてどんな環境で、どんな場所だったのかだけでも見たい!
なぜ閉園してしまったのか?
と色々な思いを持って、少しだけ隙間のあった門の脇から中に入ってみました。
ちょうどそこで、その農園のメンテナンスを任されているおじいさんに出会いました。親切にも農園を案内して頂けることになりました。
おじいさんの話では、ウッパワンサ氏が重度の病気にかかってしまったため、5年程前に農園は閉鎖されてしまったとのことでした。

d0231263_2329209.jpg

そこは、環境がとても素晴らしい場所で、ウッパワンサ氏がこの場所を選ばれた意図が良く分かるような気がしました。私も是非ここで農業をしたいと思えるような場所でした。
d0231263_23293753.jpg

農園には自然のダムが隣接しており、山の上のため、この水は全く汚染されていないきれいな水。環境、水、地形・・・色々な側面からこの場所を選択された素晴らしさを感じ、ここでお茶やスパイス、畑や田んぼをどんな思いや考えでされていたのかと思うと、彼が元気な時に来てみたかった!と思わずにはいられませんでした。
d0231263_2330196.jpg


主のいない農園はひっそりしていましたが、お茶の木やスパイスは、まだ強い生きる力を持っているように感じました。
d0231263_23301761.jpg

1996年にウッパワンサ氏の活動に参加していた農民は200人だったのに対し、2007年には1000人以上に増えたそうで、ウッパワンサ氏は本の中で以下のように言っています。「伝統農業は、信仰に基づいていました。作付けや収穫時には、神の恵みのための宗教的な儀式が行われていました。ですが、近代農業は、この文化的な習慣を金銭的な価値へと取り替えてしまいました。今の農民たちには、困窮しても、しっかりとつかめるものが何もないのです。<中略>エコロジー農業が、私達の貴重な天然資源を破壊せずに、食料安全保障を達成できる唯一の方法なのです。」
農園のおじいさんは、数年後、病気が回復したらウッパワンサ氏は戻ってきたいと言っていると話し、彼の連絡先を教えてくれました。ウッパワンサ氏が早く元気になられることを心から祈っています。

d0231263_2330334.jpg


そして、私が学んだペラデニヤ大学の農学部、私の所属していた研究室の教授が、その活動に大きく関わっていたことを知りました。研究室にいた時は、伝統農業にも興味を持っていなかったので、その教授の話にそんなに関心を持っていませんでした。今思うと悔やまれます。そこで今回、研究室にも行ってみましたが、すでに退官されており、そのプロジェクトを引き継いだ方はいなかったようです。
本の中での教授の言葉〜雑草よりも作物を大切にし、他の生物を根絶するから、作物だけが孤立する。生物多様性も養分も失われ、失われた要素を代替えするために化学肥料と農薬が使われる。化学肥料や農薬は土壌や水を汚染し、健康被害を引き起こす。だが、伝統農業では、打ち負かす必要がある競争相手として自然をみない。しかもスリランカの伝統農法は、霊的概念、仏教の「慈愛」に根ざしていた〜と。

今なら教授とお話したいことや聞きたいことがたくさんあります。今は海外で教鞭をとられていますが、いつかスリランカでじっくりとお話を伺ってみたい、と思います。


次回は、スリランカの有機農業の現場について感じたことを書きたいと思います。
by nori-lanka | 2015-03-07 20:24 | スリランカ | Comments(0)

スリランカからの帰国

先日、スリランカより帰国しました。
今回は親しい友人達に会うことができ、また色々なご縁で5カ所のfarmを巡ることもでき、とても充実した旅となりました。スリランカの生活の変化を多く垣間みることができ、豊かに暮らすことの意味を改めて自分でもじっくりと考えることができました。
これから少しずつ、スリランカで感じたことを書いていければと思っています。

d0231263_22224123.jpg

久々の市場では、昔見ることのなかった新しい野菜なども色々見ることが出来ました。

d0231263_22232296.jpg

スリランカといえば、ココナッツ。ココナッツの実を削り、それでココナッツミルクを作りカレーに使うのが一般的な使い方です。
商業主都のコロンボ(日本でいう東京)では、スリランカでさえもココナッツパウダーを購入する人が増えているとききました。このココナッツを削る道具がこの国から消える日がくるのでしょうか・・・

d0231263_22234424.jpg

削った実は、このままチリパウダーなどとあえて、サンボール(和え物)にするととても美味しいです。

d0231263_22255991.jpg

これは、ジャックフルーツのカレー。ジャックフルーツの実、スパイス類をあわせて煮ていきます。スリランカの伝統的な壷で数時間かけて煮ると最高に美味しい!と友人のお母さんから教えてもらいました。この果実が日本にないのがとても残念です。

d0231263_22263031.jpg

友人の実家の台所、私が最も好きな場所です。お母さんの料理はどれも本当に美味しく、私のために毎日違うカレーを3-4種類準備してくれました。
この火をみながら、お母さんと色々な話をしました。スリランカにもガスが普及し、このようなかまどは昔に比べてずいぶん減ってしまいました。

d0231263_22265477.jpg

カレーパウダーの作り方も学びました。親しい友人のお母さん達4人にレシピを教えて頂きました。みんなそれぞれに入れるスパイスが少しずつ違います。

d0231263_22271975.jpg

必ず入れるのが、コリアンダーシードとクミンシード。私も教えてもらったレシピで作ってみようと思います。
今は、このカレーパウダーを作る際、ほとんどの家庭でブレンダーを使います。昔は石でひいていましたが、それをしている家庭はありませんでした。

d0231263_22421155.jpg

訪れた農園それぞれで、色々な学びがありました。オーガニック・伝統農法・在来種の作物などが私のテーマで見学させて頂き、また私の自然農についてもお話し、意見交換する機会も得ることができました。アレンジして下さった皆様、農場でお世話になって皆様に本当に感謝です。

便利さを追求していくこと、そしてその中で失っていくこと、そして豊かさを求めること・・・変わりゆくスリランカの中での生活で、自分も忘れかけていた大切なものがたくさん見えました。
日本人としての私を完全にOFFにでき、スリランカのスイッチをONにした旅。見つかった課題に、頑張って向き合っていきたいと思います。
by nori-lanka | 2015-02-28 22:51 | スリランカ | Comments(0)